報 — MEDIA & ADS
しらせ
瓦版が速報を売り、引札がチラシとなり、錦絵がグラビアとなり、評判記と番付が口コミをメディア化した。江戸は広告とメディアの実験場だった。
この間口の項目
引札→
越後屋が撒いた「チラシの元祖」と江戸のコピーライター。
瓦版→
火事も地震も心中も速報した街頭ニュース。
錦絵→
版元・絵師・彫師・摺師の分業が生んだ大衆ビジュアル。
評判記と番付→
相撲の番付表を借りて、何でも東西に分けて格付けした。
看板と暖簾→
字が読めなくても分かる印。暖簾は信用そのものだった。
貸本屋→
本を担いで貸して回る商売。読者はほとんど買わなかった。
高札と町触→
法は読ませるより、言い聞かせて届けた。
版元と本屋仲間→
本の持ち主は、版木を持つ者だった。
隣の間口にもまたがる項目
主の間口は別だが、この面からも読める記事。一つの営みは、たいてい二つの間口に足をかけている。
流行りもの→
主は「遊 — あそび」 流行は自然に起きたのではない。作られ、売られたのである
戯作と黄表紙→
主は「藝 — げい」 表紙が黄色い薄い本。中身は子ども向けではなく、大人の笑いと風刺だった
くずし字→
主は「報 — しらせ」 読めなくなったのは、字が難しいからではない。制度が変わったからである
全項目が五つの窓(しくみ/江戸と今/同じころ世界では/アジアのいま/広告と評判)と出典・確度欄を備える。