藝 — ARTS
げい
浮世絵、戯作と黄表紙、俳諧、三味線音楽、そして江戸のことばとくずし字。庶民が作り、庶民が消費した文化は、いま世界の美術館が所蔵する芸術になった。
この間口の項目
儒学と学問→
寛政異学の禁が縛ったのは幕府の学問所だけ。中心の外に陽明学、古学、国学、蘭学があった。
浮世絵と錦絵→
版元・絵師・彫師・摺師の分業が生んだ大衆美術。
戯作と黄表紙→
絵と文が溶け合う大人の読み物は、風刺ゆえに弾圧された。
俳諧→
一人で詠む「俳句」の前に、座で共同制作する遊びがあった。
音曲→
三味線という新しい楽器が、江戸の音楽を組み替えた。
江戸ことば辞典→
「十八番」「どんでん返し」——江戸生まれの現代語を確度つきで。
くずし字→
読めなくなったのは、明治以降の制度変更の結果である。
家元→
芸ではなく「教えてよい」という許しを売る仕組み。
見世物→
本物か作り物か、その境目を楽しむ。
隣の間口にもまたがる項目
主の間口は別だが、この面からも読める記事。一つの営みは、たいてい二つの間口に足をかけている。
歌舞伎→
主は「遊 — あそび」 江戸最大のエンタメ産業。舞台が流行を作り、流行が舞台を回した
寄席→
主は「遊 — あそび」 木戸銭は蕎麦数杯分。安いからこそ、町内に広がった
貸本屋→
主は「報 — しらせ」 本を借りて読む流通網
全項目が五つの窓(しくみ/江戸と今/同じころ世界では/アジアのいま/広告と評判)と出典・確度欄を備える。